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柳宗理デザイン、コトブキのシェルチェア [イス]


久々に入手しました、寿商店(現在の株式会社コトブキ)製、柳宗理氏デザインの、ポリプロピレンのシェルチェア。一度扱った事の有る物はある程度遠くから見ても“ピン!”と来るもので、近付いてみるとやはりこのイスなのでした。


開発には色々と苦労が有った様で、様々な工夫の結果、中央の穴によって座る人の荷重を分散させる、ポリプロピレンを使用する事によって軽量化に成功する等の特徴を持ったイスとなった様です。近日出品の予定です。

ポリプロピレンを使用したイスとしてはイギリスのデザイナー、ロビン・デイ氏がデザインしたイスの方が発表は早かった様ですが、造形的な美しさは柳宗理氏デザインのこの椅子の方に軍配を挙げたいと思います。

少し前のプラスチックの椅子というと何でも“F.R.P.”と言いたがる人もいますが、もちろん“F.R.P.”とはガラス繊維で強化されたプラスチックの事(Fiber Reinforced Plastics)。ヴェルナー・パントン氏のいわゆる“パントン・チェア”の初期の物も日本では“F.R.P.製”という事で通っていますが、色々と調べてみると素材は“硬高度発泡プラスチック”(英語ではPU-hard-form)となっており、やはりポリウレタン系の素材で、ガラス繊維は入っていない模様。一度入手した時によ〜く見てみましたが、イームズのシェルチェアに見られる様なファイバーっぽい感じは全くありませんでした。でもhhstyleのサイトのPanton Classicの説明では“現在はポリプロピレンで生産されていますが、オリジナルはFRP素材。”との表記が。しかしVITRAのサイトのPanton ClassicのMaterials欄には“hard form plastic shell”と書かれており、やはり“F.R.P.”とは違う素材だと思うのですが(家具を研究している偉い大学の先生の著書にも“パントン・チェア”の初期の物は“F.R.P.製”と書かれてあったりもします)。ちなみにコトブキ社にて復刻生産されている柳宗理氏デザインのシェルチェア(写真で紹介したのとは別のデザイン)の素材の所にも“F.R.P.”と表記されています。復刻された製品が“F.R.P.”製?リサイクルの視点からも“F.R.P.”は使用されなくなる方向になっていると思っていたのですが、実際の所はどうなんでしょうか。ちょっとツッコミを入れてみたい気がします。挙げ足取りみたいですが、言葉をきちんと理解して正確に使うという事はとても大事な事だと思うので、つい細かい事を突っついてしまいました。

プラスチックのイスの事を書いていたら、なぜか人工的な美しい音を聞きたくなってしまい、


Fenneszの“Endress Summer”を。でもほんとは夕焼け時、または夜明け時が一番似合う音世界ですね〜。


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