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カーネーション [音楽]

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店内に貼られたのは、「カーネーション」のツアーポスター。結成は1983年というベテランバンド。ずっと存在は知っていたものの、熱心な聴き手ではなかった。当初は5人で活動しており、高度な音楽性と、中心人物直枝氏の類い稀なメロディセンス、ボーカリストとしての高い能力、ファンタジーとリアリズムの狭間を行き来する歌詞世界で、高い評価を受けていたバンドだった。でもなぜか僕にとっては、音楽偏差値が高すぎたのか、心に響かなかったのだった。

それが大きく変化したのが、3人にメンバーが減ってから(現在は2人に)。偏差値の高さは相変わらずだが、そこにぐっと肉体性が加わった感じがして、一気に好きになった。フィジカルの強さが加わった事で、出す音の力強さがより感じられ、そこからはもう虜に。国内アーティストでは今の所個人的なNo.1状態が続いている。

なぜこんなに彼らの音に惹かれるのか。元々の高いレベルの音楽的能力に加え、長いキャリアを経た物にしか出せぬ説得力、それでいてあきらめや達観とは無縁の前向きな力強さ、特定のイデオロギーや所謂「ロック」的価値観とは距離を置いた良い意味でのフラットさ、照れたり安直になったりする事無く、歌うべき言葉をメロディーに乗せていく詩人としての高いクオリティ、そんな要素が僕にとってはとても魅力的に映る。

単純な世代論では括れないのはもちろんだが、現在50歳くらいの世代のミュージシャンには、それよりも上の世代には無い感覚を感じる。そして、個人的にはその感覚の方が信じるに値するように思われるのだ。なんだろう、「ロック」だけを信じすぎていない感覚というか。

とにかく、「こんな先輩がいて良かった!」と思わせてくれる、とても貴重で、大切な存在のバンドの一つ。
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