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センスがいいとか悪いとか [日記]

こんにちは、原でございます。暑い日が続いておりますが皆様いかがお過ごしでしょうか。最近中村にブログをまかせっきりにしてしまってまして…。久しぶりの長文日記です。

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どこのご家庭にもありそうな、実際結構な確率で存在するであろう木彫りの熊。ご存知、北海道の民芸品。仕入れ先の市場でも本当に良く見かける。海外では需要があるようだが、日本国内で中古での需要はほとんど無いらしい。でもたまに「これは!」とグッとくる熊がいて、連れて帰ってくる。この2頭も個人的なお気に入り。基本的に動物モチーフ好きなので、この手の熊だって見逃さない、いや、見逃せない。店頭ではやはり基本的にはほぼノーマーク状態なのだけど、たまに反応して下さるお客様がいらっしゃると「わかってくれて嬉しいっす!」って感じで本当は抱きついてしまいたくなる。もちろん我慢してるけど(冗談ですよ。ご安心下さい)。

センスがいいとか悪いとか、人は時々口にするけど、その本質はどういう事なんだろうか。センスのよし悪しという事は確かにあるとは思うのだけど。センスのいい音楽、センスのいい映画、センスのいいお店、センスのいいお宅、センスのいいインテリア、センスのいい暮らし。センスのいい暮らし???どうも個人的にはそれがスタイルの話だけになった時に違和感を感じるようだ。もしくは評価する上で不可欠である、大切な、「何の」センスがいいのかというその対象が明らかにされていない事に対する違和感なのかもしれない。

今広く使われている「センスのよし悪し」、それは時代感を上手く掴んでいる、という意味合いが多いのではないかと思う。特にインテリアや暮らし回りにまつわる表現に関しては。今っぽさを上手に表現するテクニックという感じ。その善し悪しは人それぞれだろうからそれを結論づける事は避けようと思う。

じゃあ僕個人が何に「センスのよさ」を感じるか?それを突き詰めて考えてみると、「自分の好きな物をちゃんとわかっている」という要素が大きいかもしれないな、と思った。時代の流れからある程度距離を取った視点で物選びが出来るという能力(ある程度という所が重要)。それでいて支離滅裂にならず、独りよがりになりすぎず、ある程度の調和をもたせる事の出来る能力。「センスがいい」と感じるインテリアの実例を見て感じるのはその能力の高さだ。物選びにおいての、歴史的にも地理的にも幅広い視野を感じる。ある特定のスタイルや時代に偏りすぎない雑多である心地よさ。模倣でないからこそ、その人にしか作り得ない空間。そこに「センスのよさ」を感じる。実際、海外のインテリアの実例が多かったりするのだが、そこに感じるのは情報に縛られ過ぎていない自由さだ。

最近お客様からインテリアの相談をお受けする機会が何度かあった。みなさん素敵にお部屋をまとめておられるのだけど、感じるのは今の時代感、もしくは一つのスタイルを忠実に再現しようとしすぎる窮屈さ。雑誌のあの感じを再現しようとしすぎるあまり選択肢が狭まってしまい、結果として物足りない何かを感じてしまっている、という印象だった。

今の時代において、いわゆる「センスがいい」とされている物を集めただけではないという選択眼。「センスがいい」あるいは「趣味がいい」という評価を得る事は、人生における優先順位としては決して一番ではないという価値観。その前提での物選び。自分の好みを徹底的に探り、時に勇気を持って自分に忠実であること。インテリアに限らず、そういう価値観をもっているという事は何にしても大切だと思う。それは決して「センスがいい」とか「センスが悪い」なんてフレーズで評価出来る物では無い。そして逆説的だがそんな価値観で物を選ぶ人にこそ、「センスのよさ」を感じるというねじれた事実。とても興味深いと思う。
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ひらおか

こちらにも共感しました!
by ひらおか (2011-07-31 21:07) 

hara_taka

ありがとうございます!

でも改めてよく見てみると、言ってる事はほとんど同じですねえ。。。やはり「自分と良く対話して自分を知って自分に忠実である事」が肝心なのだなあ、と思います。
by hara_taka (2011-07-31 22:02) 

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