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“室内”休刊で思う [日記]


右は雑誌“室内”最後の1冊です。数少ない信頼出来るインテリア系雑誌として、結構購読してました。この商売を始めてからはちょっと縁遠くなりましたが、その代わりに山本夏彦氏の著作を手にする機会が増え、そこから田中美知太郎氏に至るなど(読破出来てませんが)、インテリア外の部分でも大きな影響を受けました。廃刊は残念ですが、時代にあわせ過ぎてつまらない雑誌になってしまうよりは良いのかも知れません。左は渡辺力氏(国立近代美術館の展示は質、量共にかなり期待外れでした)がデザインした表紙の時代の物、1970年の3月号です。ちなみにのせてある椅子は“リキロッカー”。最高に美しい椅子です。


で、室内で思い出すのがこの写真。1997年1月号の特集、“名作椅子の有るインテリア”、倉俣史朗氏の家具を多く作成していた、青島商店の青島賢治社長の御自宅の写真です。この数年後に青島氏はお亡くなりになられ、さらにその数年後にとある方の紹介で、この写真の椅子達を引き取りに伺いました。まだ独立する前、前職場にいた頃の話です。ヨーゼフ・ホフマンやウェグナーなどの本当の名品を買い取らせて頂きました。この写真に気づいたのはさらにその数年後のことで、御本人が思い入れを持って所有しておられた物を商売道具として扱う、という事に関して、色々な事を感じ、思いを新たにした事を思い出します。今日また見返した事で、また思い起こし、そして新たな感情が湧き出てくるのを感じました。古道具屋としては、あまりにもそういった物語をリアルに感じ過ぎると良い事ばかりでは無い様な気もしますし、何も気にしないのもどうか、とも思うのです。やはり基本はその“物”自体とそれに目を留めた“自分”と、お金を出して買って頂く“お客様”の関係であるし、でも“物語”も物の一部である場合も確かに有るんですよね。いろんな思いが交差する、この2ページです。


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sketch

お客さんは、そういういろいろな事を感じ、思えるtakaさんから買いたいって、思いますよ。物語も含めた古い物との出会いをつくってくださること、楽しみにしています!
室内休刊...知りませんでした。最近は本屋に行っても手に取る事も無く、、わたしも時代に流されていたのかと、考えてしまいました。
by sketch (2006-03-10 14:23) 

hara_taka

sketchさん、コメントどうもありがとうございます。最終号で伊東豊雄氏も書いてましたが、デザインを扱う雑誌でありながら、あの様な良い意味で“古臭い”く、“リアル”な感じの残っている貴重な雑誌でしたよね。こちらも“リアル”さを失わない様、家具も選曲も頑張らねば。
by hara_taka (2006-03-11 09:18) 

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