インテリアのトレンドなど

最近インテリア雑誌はめっきり買わなくなった。もうそこそこいい年だし、雑誌に載っている情報を価値判断の基準に加える必要性を感じなくなったからだろうか。そんな自分が久々にインテリア雑誌を購入してみたりした。ちょっとしたリサーチの気分で。その雑誌の記事の中に、2007年インテリアの「INとOUT」なんていう記事があった。インテリアのプロとされる人達（著名なデザイナーさんとか、スタイリストさんとか、メーカーさんとか）に対するアンケートの回答を掲載している。

確かにインテリアにもトレンドは有るだろうし、新しい素材や技法の発見、開発によって今までに無いスタイルが現れたりするだろう。それに社会構造の変化に伴って、従来の生産体制とは異なるビジネスモデルも出て来ているだろうし、時間をおく事によって、メディア等によって必要以上に盛り上げられてしまったスタイルに対しての冷静な評価の意見が現れる事もあると思う。この記事に取り上げられた皆さんがどういった視点から「IN」とか「OUT」とかを判断しているのかは個々に様々だと思うが、中には社会性とは無縁の、単なるスタイル的な視点からの「IN」とか「OUT」も見受けられる様な気がした。まあ、職業的な判断だとは思うけど。

でもあまりそんな表層的な「IN」とか「OUT」にはあまり振り回されませんように。雑誌はカタログの一つ程度の認識で、あとは自分の脚で歩き、目で見て、心で感じた感覚を頼りにゆっくりと進んでいく、それが本当の意味で個性的で、かつ自分にとって心地の良い空間を作り上げていく唯一の方法である気がする。その為には、より様々な文化に好奇心を持って近づく事が必要なのは当たり前で、最近忙しさを言い訳にしていたのを反省。それにしても、実態がよくわからない「憧れの暮らし」や「お洒落な空間」を読者の皆さんにご紹介するばかりで、インテリア雑誌でジャーナリスティックな視点を持つものは全く無くなってしまったと思う。以前は「室内」誌がその役割を担っていた。コピー商品を糾弾したり、家具を壊してその構造を検証し、時には（メーカーに脅されながらも）批判したり、ハウスメーカーに堂々と喧嘩を売ったり。

ちなみに、中古家具が注目されて来た過程で、「家具もファッション感覚で着替えていきましょう！飽きたら売って、中古で安く買って！」なんていう文言を何度か見かけた事が有るが、それはちょっと本質的に違う様に思う。ファッションとインテリアは基本的な何かが決定的に違う様な気が。どちらかというと、音楽とインテリア（プロダクトデザイン）の方が本質的には通じる部分が有るかもしれない、と思う。

コメント 2

相変わらずの熱い書き口、楽しませて貰ったよ。

「音楽とインテリア（プロダクトデザイン）の方が本質的には通じる部分が有るかもしれない」ってさ、その考え採用、インストールします。
ファッションのように着替えましょうって、たしか目黒通りの某ショップも提唱してたな、その考え方は個人的に好きだけど、でも「違和感」は覚えた記憶がある。そうね、音楽のようにって違和感を感じないよ。

古物屋は魚屋さんだと解釈していた。（流通に限って言えば肉、野菜ではない）漁にいったり、交換会なんかで手に入れたりして、お客さんに届けるって何か似てるなーと。新鮮（ウブイ）だと異様に売れたり、お店によって品揃いが違ったり。品物が入ってこなくて相場が高騰したり、ダブついて安くなったり。
物に対する哲学は売る人が持っているのと同時に買う人も持っているから、相場を気にしながらプロの目から見て、悪くない品物を送るのが仕事かなとー。

でも、音楽を扱うって考えイイ、俺もこれからそう言う事にした。

そういえば昔の「室内」には啓蒙があったよね。あからさまなメーカー批判したりとか。最近全く読んでいないので、今がどうか判断できないのだけど…。勉強不足だね、その雑誌俺も買うべき、室内もカーサも。
音楽を扱う人として。
by カン (2007-02-16 16:55) 

残念ながら「室内」誌は1年近く前から休刊です…
なるほど、魚屋ね。商材との出会いが計算出来ないという点ではまさにそうかもしれないです。カーサは意見が分かれる所かもしれない。個人的には最近は手に取ってません。

まあ、「音楽を扱う」とまではいえない気もするけど、共通項は多い様な気がしてます。詳しくはまた追々。
by hara_taka (2007-02-21 23:46)