「ただ物ではない」感 [机・テーブル]
気が付けば6月ももう下旬。しかし6月初の更新だったりして。「もう今年も半分終わりか、早いな〜」と、溜息の一つもつきたくなるが、いや、年頭にも書いた様に、「1年なんてすぐ終わるものなのだ」という理解の仕方をする様、努力してみる事にする。
仕入れに出て色々な家具等を目にしている中で、たまに何でも無い様に見えるが、グッと目を引きつけられる家具がある。もちろん以前仕入れた家具や、雑誌の中でしか目にした事が無かった名作といった家具もそうなのだが、初めて目にする家具でも「ただ物ではない」感というか、オーラをビシビシ感じたりする事もある。例えば…
このガラステーブル。特に奇抜なデザインや素材、カラーリングではないのだが、バランスの取れた美しい佇まいに惹かれ、仕入れてみた。しかもよく見ると、脚の構造はプライウッドを張り合わせて作られているのだが、金物を全く使用していない。ますます「ただ物ではない」感が強くなる。
調べてもなかなか判明しなかったのだが、仕事仲間からの情報により、イギリスのデザイナー、ALEX MACDONALD氏デザインの“PEGASUS ROUND TABLE”だという事が判明した。日本ではE&Yでの取り扱い。なるほど、さすがE&Yさん、お目が高い!デザイナーの美学とメーカーの技術力との関係が高いレベルで融合した、本当にきれいな、素晴らしいテーブルだった(ちなみに売約済み)。かと思えば、反対のケースもある。某人気家具店の家具などはタグを見るまで全く目に入って来ない事が有る。仕上げが粗く、張り地の質感や全体のフォルムもぱっとしないのだが、裏にはしっかり◯◯◯◯とメーカーのロゴが入っていて、ちょっと慌てたりする。調べてみると定価は結構良い値段だったりして。
中古家具屋が良いのは、とにかく多くの家具に触れる機会が有る事だ。良い物を見る事で出来の悪い物の「悪さ」を、出来の悪い物を見る事で良い物の「良さ」を実感として認識、確認出来ると思う。本当に良い物はデザイナーやメーカーの能書きが無くてもやはり「ただ物ではない」感を出しているものなのだろう。そしてその逆も確実に存在しているのだ。
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