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たばこのパッケージ3800枚 [その他]

先日たばこのパッケージのスクラップブック、20冊余を入手。2冊を除いて、三角形の小さなシール(写真のアルバムによく使うあれ)に差し込んで保存されていました。

デザイン的には、「PIECE」の鳥のパッケージデザインがレイモンド・ローウィのデザインによるものとして良く知られています。そんな事もあって、面白いデザインの物があるかな、と思って入手してみました。さて、どうやって売るかな、と考えて、スクラップブックに入れられたままでは送料も嵩むし、一応年代順にはなっているものの、1冊ごとの区切りは中途半端だし、とりあえず全部見てみたいし、という事で、全部はずしてとりあえずまとめる事に。しかしこれがなかなか大変でした。なんせ相手は約3800枚。スクラップブックから外して、ある程度ジャンル、年代別にまとめて、何となく様子が分かるようにテーブルに並べて写真を撮る、これでほぼ一日仕事になってしまいました。時間と労力と利益を度外視してこんな作業に没頭してしまうのは、古道具屋の悲しい性でもあります。まあ、楽しいからやってんですから、いいんですけど。

ところが、デザイン的に面白いものはかなり少ない!古い時代のものの方が総じてグラフィック的な完成度が高く、厚手の紙を使用しており質感も良く、そして小さめのサイズとグラフィックのバランス感もなかなか良いのです。しかし。たばこが今のサイズになって、パッケージの紙がいつから薄くなったのかはよく判りませんが、それ以降の物にはほとんど全くと言って良い程、(個人的に思う)良いデザインのパッケージにはお目にかかれませんでした。もちろん、通常版のパッケージはよく練られたデザインである事がわかるのですが、この3800枚のうち大多数を占める「記念もの」のパッケージときたら…大きく分けて、「市制◯◯周年記念」、「◯◯運動記念(交通安全運動記念等)」、「国体記念」、「観光記念」等があるのですが、前者三種に関してはちょっと乱発気味な感じで、1点のパッケージにかける熱量が明らかに低い様な気が。国体記念なんて、もちろん競技のイラストなのですが、デッサン崩れ気味のイラストも多く、やっつけ仕事的な感じに昭和的ゆるさを感じてしまいます。

「観光記念」は文字通りその地域を観光した記念という事で、その地域の名所の写真をパッケージに配したもの。これもかなりの数が発売されたものと思われます。今回確認出来ただけでも、1972〜1992年まで毎年発売されており、最多で年間207種を数えました。この数字がコンプリートかどうかは不明ですので、もっと多くの種類が発売されていたのかもしれません。ということを考えると…これだけの量を毎年揃える労力は並大抵な物ではなかったはず。ほとんどの年のものは北海道から沖縄まで日本各地のものが揃っていました。毎年日本中の各地を訪れた、もしくは、その土地に行く予定がある人に頼んで買ってきてもらったという事です。いや、すごい。なんせ合計3800枚ですから。

クオリティの差はありますが、記念切手と同じ様な発想で、当時の専売公社(途中からJT)が企画して始めたのでしょう。嫌煙、禁煙が大きな流れとなっている現代ではもう難しいスタイルでしょうね。そう考えると、一つの時代の記録としてある意味貴重な物かもしれません。

そうそう、なかには日本復帰前の琉球政府の時代に作られていたと思われる、こんな珍しいたばこのパッケージもありました。「OTOHIME」とか、「URASHIMA」なんていうネーミングに本土復帰を望む沖縄県民の願いが込められている様な気がする、というのは考え過ぎでしょうか。


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